健康・生活習慣コラム

感染予防と運動習慣

コロナ禍での長期におよぶ自粛生活などを背景に、運動量や人との関わりが大幅に減ったという方が多くいます。それにともない体の衰えが進み、心身に支障をきたす「健康二次被害」の問題が注目されるようになりました。 今後は、新型コロナウイルス感染症に対して必要な感染症対策を継続しながら、同時に健康にも目を向けていく必要があります。

1.健康二次被害の予防のために

健康二次被害とは?

健康二次被害とは、外出自粛などにより不活発な生活を送ることで生じる、体や心への悪影響のこと。
体力の低下や肥満、生活習慣病発症リスクの増加、ストレスによる心の不調。さらには、認知機能の低下、筋力低下による転倒や骨折など、思わぬところにまで影響が出やすくなります。

これらを放置すると、病気の重症化や鬱へとさらに症状進行させてしまう危険も考えられます。

筋力の低下は感染症の発症や重症化リスクを高める

ある研究では、たった2週間の短い期間でも足をまったく動かさなくなると、筋肉量が大幅に低下することがわかっています。また、加齢が進むほど失った筋力を取り戻すのに、何倍もの時間がかかるというデータもあります。

筋力が落ちてしまうと体温が低下し、さらには免疫力まで下がることで、感染症の発症や重症化リスクを高めてしまいます。

感染症にかからないために「外に出ない」という考え方もありますが、一方で、運動不足から免疫力が低下することで感染症にかかりやすくなる、という危険も潜んでいるのです。
さらに、活動量が落ちて消費カロリーが減ると肥満を招きやすくなり、肥満によって代謝異常を起こすことで、また免疫力低下につながってしまいます。

2.運動によって期待できる幅広い効果

ウォーキングなどの運動を日々の習慣として行っている人は、新型コロナウイルス感染症に感染しても、重症化する割合が低いことが大規模な調査で明らかになっています。

運動の効果は、肥満や疾病予防だけでなく気分転換やストレス解消にもなり、メンタル面の不調予防にも有効であることから、身体面・精神面・心理面など幅広い効果が期待できるのです。

3.健康二次被害を防ぎ、健康を維持するために

日々の健康を維持するために取り組む事項として、厚生労働省では下記の情報を公開しています。

1. 運動をしよう

「動かない」(生活が不活発な)状態が続くことにより、心身の機能が低下して「動けなくなる」ことが懸念されます。

転倒などを予防するためにも、日頃からの運動が大切です。

  • 人混みを避けて、一人や限られた人数で散歩する
  • 家の中や庭などでできる運動(ラジオ体操、自治体のオリジナル体操、スクワットなど)を行う
  • 家事(庭いじりや片付け、立位を保持した調理など)や農作業などで身体を動かす
  • 座っている時間を減らし、足踏みをするなど身体を動かす

2. 食生活・口腔ケアをしっかりと

低栄養を予防し、免疫力を低下させないために、しっかり栄養をとることやお口の健康を保つことが大切です。

  • 3食欠かさずバランスよく食べて、規則正しい生活を心がける
  • 毎食後、寝る前に歯磨きをする
  • しっかり噛んで食べる、一人で歌の練習をする、早口言葉を言うなど、お口周りの筋肉を保つ

3. 人との交流を

孤独を防ぎ、心身の健康を保つために、人との交流や助け合いが大切です。

  • 家族や友人と会話
  • 手紙やメール、SNS などを活用し交流する
  • 買い物や移動など困ったときに助けを呼べる相手を考えておく

睡眠不足は免疫力を低下させるため、日頃から質の高い睡眠を心がけましょう。適度な運動をすることで、睡眠の質を高めやすくする効果も期待できます。

※基礎疾患のお持ちの方や、通院・服薬中の方は、医師の指示に従ってください。

4.まとめ

新型コロナウイルス感染症は、一般的には飛沫感染(くしゃみ、咳、つばなど)、接触感染でかかります。
そのため、マスクの着用や引き続き人との距離を保つなど感染対策をしっかり行ったうえで、運動を習慣化していくことが、感染症から自分の身を守るためにできる重要なことの1つでもあります。

参考URL

身体活動・運動 厚生労働省

https://www.mhlw.go.jp/www1/topics/kenko21_11/b2.html
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