健康・生活習慣コラム

食事スタイルと感染症について

「食事」と「新型コロナウイルス感染症の重症度」の関連を調査した研究により、野菜や魚を中心とした食事をとっている人は、新型コロナウイルスに感染した際の重症度が低いという研究結果が発表されました。
ここでいま一度、毎日の食生活を見直してみましょう。

1.食事スタイルと感染症について

理想は、”野菜・魚中心”のバランスのよい食事

「食事スタイル」と「新型コロナウィルスの重症化リスク」との関連について調査した、米ジョンズホプキンス公衆衛生大学院の研究をご紹介します。
調査結果によると、「野菜中心の食事スタイルの人」は73%、「野菜中心またはペスカタリアニズム(肉は食べず魚介類を食べるベジタリアン)の食事スタイルの人」は59%、これらの食事をしていない人と比較して、新型コロナウイルス感染症で中等度から重度に進展するリスクの低下がみられました。
一方、野菜中心の食事スタイルの人と比較して、「低炭水化物・高タンパク質の食事の人」では、中等度から重度に進展するリスクが上昇することが分かりました。
研究チームは、「今後はより大規模なランダム化比較試験で、さらなる検証をする必要があります」としながらも、「植物性食品や魚を多く摂る品質の高い健康的な食事が、新型コロナに感染した時の重症化予防のために効果的かもしれません」と結論づけています。

参考URL

Plant-based diets, pescatarian diets and COVID-19 severity: a population-based case–control study in six countries ジョンズホプキンス公衆衛生大学院

https://nutrition.bmj.com/content/early/2021/05/18/bmjnph-2021-000272

免疫力を上げる効果も期待

「野菜や魚を中心とした食生活を送っている人」には、免疫力アップの観点からもメリットがあります。

野菜には、抗酸化作用や免疫力の向上を助ける働きを持つビタミンやミネラル、植物由来の機能性成分であるファイトケミカルなどが含まれます。
また、免疫力アップに欠かせないのが、腸内環境を良好に保つこと。その手助けするのが野菜に含まれる食物繊維です。さらに、魚にはEPAやDHAが含まれ、免疫機能を正常に維持する働きがあることがわかってきています。

免疫力アップと言えば「乳酸菌」が広く知られていますが、日頃から野菜や魚を積極的にとり、バランスの良い食事を心がけることが、免疫力を高めることに大きく貢献しているのです。

2.健康的なカラダは、日々の積み重ねから

丈夫なカラダをつくり感染症などから身を守るために、食事面で特に意識したい3つの視点、改めてご紹介します。

1. あと1品、野菜をプラス

カラダに必要なビタミン・ミネラル、食物繊維を十分にとるためには、1日350g以上の野菜を食べることが推奨されています。

カット野菜や冷凍野菜を活用したり、汁物は具だくさんにしたりするなど、まずは野菜をあと1品プラスする意識を持って、毎回の食事に少しでもとり入れていけるとよいですね。

2. 魚を積極的に食べ、アブラの多い食事や加工肉は控える

刺し身や缶詰、レトルトの煮魚・焼き魚など、手軽に食べられるものを活用し、魚料理の頻度を上げる工夫も効果的!新型コロナウイルス感染症の重症化を防ぐためには、その危険因子とされる肥満や過体重を予防することが大切です。

揚げ物やこってりした料理、脂質や塩分を多く含むベーコンやウィンナー、ハムなどの加工肉はなるべく控えましょう。

3. 多様な食品を組み合わせ、バランスを整える

栄養バランスが崩れると、カラダの免疫機能に影響を及ぼし、体調不良を起こしやすくなります。
炭水化物(ご飯・パン・麺類)、タンパク質(肉・魚・卵・大豆製品)、食物繊維やビタミン・ミネラル(野菜・きのこ・海藻類など)をまんべんなく食べることが理想です。

様々な食品を組み合わせることで、カラダに必要な栄養素を補いましょう。

3.まとめ

毎日の食事や適切な運動が、私たちの日常でより一層大切なものとなっています。
特別なことではなく、何かひとつ、ちょっとしたところを変えてみるだけで、意識が大きくかわるかもしれません。
今この時だからこそ、カラダもココロも健やかに、毎日の「健康づくり」を着実に積み上げて行きましょう!

参考URL

新型コロナウイルス感染症を想定した「新しい生活様式」における栄養・食生活のポイント 厚生労働省

https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000657597.pdf

新型コロナウイルス感染症対策としての栄養・身体活動(運動)について 国立健康・栄養研究所

https://www.nibiohn.go.jp/eiken/corona/pdf/corona_japanese.pdf
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